今月のチーズのお話

2019 October

グラティン ブルーGratin Bleu
グラティン ブルーGratin Bleu

掲載日:2019/10/25

グラティン ブルーGratin Bleu

グラティン ブルーGratin Bleu 

「トーマ・ピエモンテーゼ」や「マッカーニョ」の生産者として知られる、ピエモンテのロッソ社のブルーチーズです。タンパク質の多い乳を出す土着の“ペサッタ・ロッサ”と呼ばれる牛の良質なミルクからつくられます。
 ピエモンテ州の北部、ミラノとトリノの中間あたりに位置するビエッラ県は、山と丘陵地が多く、美しい豊かな水が繊維産業を生んだと言われる地域です。品質の高いチーズの生産者として知られる「CASEIFICIOROSSO(ロッソ)」の歴史は1894年まで遡ります。アルプスの麓、小さなエルヴォ渓谷の小さな村でローザお母さんはチーズ製造から熟成、販売まで行うロッソ家のやり手の女性でした。彼女のチーズづくりは3人息子の末っ子のピエールルイジが引き継ぐことになりました。エルヴォ渓谷からビエッラに引っ越した家族はローザおばあちゃんのビジネスセンスを見習って製造から熟成販売まで家族で力を合わせて会社を発展させてきました。
 ピエモンテ地方には誰からも愛されるDOP認定の「トーマ・ピエモンテーゼ」がありますが、「トーマ」の中の王様と呼ばれる「マッカーニョ」がロッソ社を有名にしたチーズといえるでしょう。伝統を守りつつも常に時代の先端を走るロッソ社。良質な乳にこだわる近隣の乳生産農家が取引先です。小柄で乳量は少ないものの、健脚で姿も美しく、プロテインの多い乳を出すペッサータ・ロッサ・ディ・オロッパ(Pezzata Rossad'Oropa)と呼ばれる土着の牛。この牛たちのミルクがあってこそ、美味しいチーズができるんだよと、ロッソ社の現社長エンリコはいいます。
 「グラティンブルー」はエンリコの父、ピエールルイジのアイディアで10年ほど前に生まれたそうです。青かびの元はミルクに加えて製造。型から出し、若いうちに針でブルーを促します。約30日でブルーが美しく出た頃が出荷の合図。出荷前に3回キャラメルを塗ることで、美しい色の表皮ができあがります。この表皮が中身を保護する役目も果たします。最後にロッソ社のマークを描いたバッジを付けて完成です。熟成は60日ほどでピークを迎え、90日まで美味しくいただくことができます。グラティンはピエモンテ方言で目が詰まってボロボロした状態のことです。地元の甘口ワイン「パッシート」と合わせ、極上の時間をお過ごしください。