今月のチーズのお話

2017 February

コンテ Comté
コンテ Comté

掲載日:2017/02/22

コンテ Comté

コンテ Comté 

フランスAOP チーズの中で最も生産量の多い「コンテ」。名だたるチーズ商たちがこぞって熟成管理を委託している会社が「マルセル プティット社」です。8ヶ月以上熟成のコンテは、リーズナブルな価格帯でお料理にもふんだんに使えます。
 フランスのAOPチーズの中でもっとも生産量が多く人気も高い「コンテ」。
 厳しい冬に備え食料を確保するため、ジュラの農民たちは協同組合を形成し、フルティエールと呼ばれる製造所に乳を持ち寄り大型チーズの製造をしてきました。
 1958年にはAOC(現AOP)に認定、1963年には生産者協会が設立されました。今日では世界中のチーズファンにコンテを知らない人はいませんが、1980年代では8割以上が地元で消費されていたのです。90年代以降は重労働軽減のために近代化が進み生産量が増加、さらに協会のプロモーションの努力で国内のみならず海外への輸出を伸ばし、現在の生産地消費は1/3程度です。
 フェルミエは1990年代には3kgブロックのコンテを空輸便で輸入していました。ホールのままの船便輸入をはじめたのは2000年のこと。パリのチーズショップ「キャトルオム」で熟成したコンテの美味しさに開眼した私は、最高のコンテを熟成させるといわれていたマルセル・プティット社を訪問したのです。標高1,100メートルの要塞のカーヴに並ぶ6,500個のコンテに圧倒されたことを昨日のことのように思い出します。カーヴの責任者は音を聴き、ソンドで引き出して味わい、どこまで熟成に耐えられるかを即座に判断します。じっくりと熟成させることで、ヘーゼルナッツやチョコレート、キャラメルなど何十種類もの複雑な味わいが引き出せることを証明したのが、マルセル・プティット氏だったのです。1960年代、大量生産第一主義の時代から農業の近代化・工業化に反対し、環境保護の視点を忘れない主張と経営を貫いてきました。今日、長期熟成のコンテを誰もが楽しむことができるのは、プティット氏の情熱があったからこそといえるでしょう。
 サンタントワーヌの要塞カーヴは少しずつ広くなり、現在では10,000個のコンテが静かに眠っています。また、温度管理が整ったグランジュのカーヴでは、4~9ヶ月熟成の若いコンテを13~15℃で。10~14ヶ月熟成は10℃で管理されています。
 フェルミエに届くコンテは、8ヶ月以上熟成(表示は8+)、12ヶ月以上熟成(12+)、18ヶ月以上熟成(18+)、24ヶ月以上熟成(24+)、オーガニックの5種類です。違いを食べ比べ、それぞれの魅力を存分に味わっていただきたいと思います。