今月のチーズのお話

2012 January

OCCELLI NEL MALTO D'ORZO E WHISKY/オッチェッリ燕麦ウィスキー
OCCELLI NEL MALTO D'ORZO E WHISKY/オッチェッリ燕麦ウィスキー

掲載日:2012/01/01

OCCELLI NEL MALTO D'ORZO E WHISKY/オッチェッリ燕麦ウィスキー

 標高1200メートル、冬は雪に覆われるヴァルカソットでピエモンテの伝統チーズの熟成に情熱を注ぐベッピーノ・オッチェッリ氏。

 オッチェッリ社は1975年バターの製造会社からスタートします。昔ながらの木型でつくられる上品なバターは高級品として広く知られるようになりました。会社は大きく成長していきますが、オッチェッリ氏はランゲに伝わる伝統的なチーズが少しずつ姿を消していくことに胸を痛め、買い取った古いヴァルカソットのカーヴに少しずつ手を加えていきました。DOPで守られるラスケーラやカステルマーニョの保護はもちろんのこと、彼が着目したのは、石頭の愛称を持つ「テストゥン」でした。

 かつて、どこの農家も牛、山羊、羊を飼い、そのとき得られる乳でチーズを製造していました。滋味深いこれらのチーズをバローロ(ネッビオーロ)の搾りかすに漬け込み酔っ払わせることで、石頭のように固いテストゥンは紫色に染まりソフトに変身。1999年に発表した「オッチェッリ・アル・バローロ」は多くのグルメたちを魅了していきました。

 オッチェッリ氏の挑戦はさらに広がります。テストゥンをウィスキーで酔っ払いにした後に表面に燕麦をつけ、1ヶ月ほど熟成させた新しいチーズをつくり出したのです。同時に栗の葉で巻いたものとタバコの葉で巻いたものを開発。2009年12月、発売を前にクリスマスプレゼントとしてフェルミエに届けられました。お客様の心をしっかりとつかんで離さないオッチェッリ氏。ヴァルカソットのカーヴで18〜24ヶ月間熟成させたテストゥンを、さらに最低1ヶ月間ウィスキーに漬け込んで完成です。

 このシリーズは、「何かある」という意味のピエモンテ方言で「クーズィエCusie」と呼んで親しまれていましたが、この度、このチーズを生み出したオッチェッリ氏を称え「Occelli nel malto d'orzo e whisky」と変更されました。私たち日本人には長すぎるため、「オッチェッリ燕麦ウィスキー」と命名いたしました。スコッチウィスキーやフルボディの赤ワインでじっくりと味わっていただきたい、滋味あふれる豊かなチーズです。

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