今月のチーズのお話

2008 July

BARILOTTO DI BUFALA/バリロット・ディ・ブーファラ
BARILOTTO DI BUFALA/バリロット・ディ・ブーファラ

掲載日:2008/07/01

BARILOTTO DI BUFALA/バリロット・ディ・ブーファラ

 ナポリを州都とするカンパーニァ州の最南部に位置するサレルノ県は、水牛製モッツァレッラの産地としてよく知られています。この一帯にはカゼイフィーチョ(チーズ工房)があり、ジューシーな出来たてのモッツァレッラが販売されています。ホエーから製造されるリコッタの消費量が多い地域でもあり、羊乳や牛乳、山羊乳からも作られていますが、水牛乳製はまた格別でフレッシュで食べるのがポピュラーです。チレントの羊飼いたちはアルブルニ山で乳の豊富な春、冬の保存用に塩を利かせた「リコッタ・サラータ」をつくるのが習わしでしたが、移動放牧の生活がなくなったあともこのチーズは地域の人々の暮らしにしっかりと根付きました。
 マダイオ社はサレルノ県の県庁所在地のサレルノ市より約50kmほど南の小村エボリにあります。「バリロット・ディ・ブーファラ」をはじめとし、地元のチーズを洗練させて世に送り出したアントニオ氏のセンスには脱帽です。
 マダイオ社のオリジナルチーズ「バリロット・ディ・ブーファラ」は水牛乳から作られる最上のリコッタ・サラータです。「バリロット」というのは水を入れるサクラの樽のことで、12リットルの水を入れ、ロバの背にくくりつけて運んでいたそうです。ちょうど樽のような形から名付けられた「バリロット・ディ・ブーファラ」は、2006年にトリノで開催されたスローフードの祭典「サローネ・デル・グスト」で大喝采を浴びました。
 バリロット・ディ・ブーファラは、じゃがいものポタージュに入れるのがアントニオ氏のお薦めです。カリカリに焼いたパンの上に削ったバリロットをのせてオリーヴオイルを垂らしたり、あるいはカカオ70%以上のチョコレートと組み合わせるのもオシャレないただき方。専用のグレーター ローズウッドがあると便利です。パスタにたっぷりかけて召し上がっていただきたいと思います。