今月のチーズのお話

2008 August

MOZZARELLA DI BUFALA CAMPANA/モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ
MOZZARELLA DI BUFALA CAMPANA/モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ

掲載日:2008/08/01

MOZZARELLA DI BUFALA CAMPANA/モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ

 イタリアを代表するフレッシュチーズ「モッツァレッラ」は、厳密には水牛乳で製造されたものを言います。本場カンパーニァ州では、牛乳製はフィオーリ・ディ・ラッテ(Fiori di latte)と呼ばれ、手頃な価格で販売されています。
 モッツァレッラの語源は製造過程での“ちぎること=mozzatura”という作業に由来します。工房に届けられた乳は33〜36度に温められ、凝固剤をいれてお豆腐のようになったところで胡桃大にカットし、その後ホエーの中で約5時間ほど休ませます。カードを桶に移しその中に95度の熱湯を注ぎ、こねてはお湯を捨てるという作業を繰り返すことで、つきたてのお餅を連想させるツルツルのお肌のようになっていきます。お餅のような大きな一塊を、二人一組になって引きちぎって成形していくのですが、最近では手作業で行なう工房も少なくなりました。カードが冷めてしまっては美味しいモッツァレッラになりませんし、また時間もかかるため、機械化が進むのはやむを得ないことだと思います。
 この春に訪ねたサレルノの南、エボリの小さな工房でも、トレッチェ(三つ編み)などの特殊な形を除いてはすべて機械化されていました。一頭の水牛から搾られる乳は牛と比べて極端に少なく約12リットルほどですが、固形分(内脂肪分は7%以上)が高いので、100リットルから24キロ相当のチーズを製造することができます。かつて常温で販売されていた時代は2日間の命でしたが、冷蔵輸送技術が進んだ現在では製造後15日間の賞味期間がついています。カンパーニァ州の南に位置するサレルノ県にあるマダイオ社のモッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナは、甘みもジューシーさも格別です。