今月のチーズのお話

2017 September

TENERELLA PICCOLA/テネレッラ ピッコラ
TENERELLA PICCOLA/テネレッラ ピッコラ

掲載日:2017/09/01

TENERELLA PICCOLA/テネレッラ ピッコラ

 ナイフを入れると中からとろ〜りと生クリームがでてくる「テネレッラ」。初めて日本に紹介してから12年がたちました。常に新しい製品を開発し世に送り出しているフォルテート社のステファノ・サルティ氏は何度も来日していますので、日本の事情も熟知しています。

 ひとつが300g以上もある「テネレッラ」ですが、日本人には大きすぎるため、このたびひとつ120g程の「テネレッラ・ピッコラ」が登場しました。クリームとカードが詰まった「テネレッラ」は潰れやすいため、5個入りでプラスティックのパッケージに入っています。ガラスの器に入れてバラ売りしたいところですが、包装された状態で販売いたします。通常は5個入りのみですが、今回フェルミエ向けに、2個入りを特別につくって下さることが決まりました。

 柔らかいという意味の「テネレッラ」は商標名。オリジナルはプーリア産の「ブッラータ」です。プーリアでは「フィオール・ディ・ラッテ」と呼ばれる牛乳製の「モッツァレッラ」の生産が盛んに行われていました。20世紀初頭、海辺の町、バーリに近いアンドリアのカゼイフィーチョ(チーズ製造&販売所)の職人だったビアンキーニ氏のアイディアで生まれました。今日の様に冷蔵設備があれば、余ったカードを保存しておくことができたのですが、当時カードの処理に困ったビアンキーニ氏には、「モッツァレッラ」を袋状にして、中に刻んだカードにクリームを混ぜて詰めることを思いつき、巾着袋のように口のところを紐で縛ったのです。土地に生える細長い葉「アスフォデーロ」で包んで出来上がり。「ブッラータ」はプーリアを訪れる観光客に見いだされ、一躍有名になっていきました。

 「モッツァレッラ」は世界中で造られる様になりましたが、「ブッラータ」は技術的にも、また大量生産することも難しく、輸送問題もあり入手するのが非常に困難だったのですが、この問題を見事に解決したのがフォルテート社のステファノでした。フレッシュさが命の「テネレッラ・ピッコラ」。「ポモドラッチョ」を刻んでのせるだけで美味しくいただけます。きりっと冷やした白ワインとお楽しみ下さい。