今月のチーズのお話

2019 July

ゴーダ (3年熟成・農家製) Aged Artisan Gouda 3years
ゴーダ (3年熟成・農家製) Aged Artisan Gouda 3years

掲載日:2019/07/23

ゴーダ (3年熟成・農家製) Aged Artisan Gouda 3years

ゴーダ (3年熟成・農家製) Aged Artisan Gouda 3years 

オランダの伝統的なハードチーズの「ゴーダ」。より熟成期間を経た3年熟成。キャラメルのようなコク、無殺菌乳ならではの旨みとアミノ酸の濃厚な味わい。ビールのおつまみにはもちろん、冷酒ともよく合います。
 ゴーダチーズの歴史は17世紀まで遡ります。当時、チーズはゴーダのマーケットで品定めが行われ取引されていました。現在ではアルクマール市でその当時の様子を垣間見ることができます。19世紀末から農家は少しずつ姿を消し、大規模なチーズ工場が次々と生まれました。こうして大量生産されたゴーダは海外輸出に大成功をおさめました。濃厚なバター風味を持つゴーダは、世界中の人に愛される日常的なチーズになったのです。
 私たち日本人にとってもゴーダはたいへん親しみやすいチーズだと思います。スーパーでは大量生産の工場製が主流となる一方、専門店には熟成別の農家製ゴーダが並ぶようになりました。登録されるボーレンカー(BOERENKAAS)と呼ばれる農家製ゴーダは、250軒の登録がありますが、そのうちの2軒だけがスローフードの「プレシディオ」※ に登録されています。無殺菌乳で伝統の木型を用いて製造すること、製造期間は牛たちの放牧期間のみに限定されているのです。ゴーダの町から2km程にある、キャプテン(KaasboerderijCaptein)は、代々に渡り伝統ゴーダを製造してきた由緒ある農家です。私が訪ねた日は20kgのゴーダ14個と余ったカードで小さなゴーダを製造していました。木型は急激にカードの温度を下げないための重要な道具だそうです。型入れが終わったチーズは翌朝まで7回反転。どんなに忙しくても家族が協力し合って代々受け継がれてきたことが分かります。熟成温度は13℃と高めですが、冷蔵施設のなかった頃から存在していたのですからこれには説得力があります。熟成段階によって価格も異なりますが、今回ご紹介するのは2016年夏づくりのものです。2年熟成もバランスよく旨みが凝縮され充分においしいのですが、今回は希少価値の3年ものをお召し上がりいただけます。アミノ酸結晶がさらにじゃりじゃりと感じられ、より強く濃厚な旨みの余韻がいつまでも続いていきます。
 夏バテ防止にかちわりにしたキャプテンのアルティザン農家製ゴーダ3年熟成をひとかけ、これで塩分も程よく摂ることができます。ビールのおつまみにはもちろん、冷酒ともよく合いそうですね。

※「プレシディオ」:小規模生産者を支援し、伝統的な製法を守る制度。登録されるには厳しい基準をクリアしなければならない。