今月のチーズのお話

2019 April

ブリナータ Brinata
ブリナータ Brinata

掲載日:2019/04/19

ブリナータ Brinata

ブリナータ Brinata 

ブリナータには“霜がおりる”という意味もあり、シエナで生産される「Pecorino Scodellato」の表面に白かびを吹き付けてつくられています。しなやかな組織をもつ生地は、塩分ひかえめな穏やかな味わいです。羊乳本来の甘みと上質なミルクのコクが広がります。
 トスカーナ州フィレンツェから北に30km、ムジェッロ渓谷を臨む美しいヴィッキオ村。森に囲まれたこの村に、チーズを核にして生まれた共同体「フォルテート社」があります。1972年、荒れ果てた教会や農家を立直すために志を同じくする仲間15名が村に通い共同酪農場を建てました。1977年にチーズの販売をスタートしたのがフォルテート社の起源となります。古くから伝わるペコリーノチーズの製造を中心にしながら、常に新しい感覚を取り入れることも忘れずにチーズの開発に意欲的に、そして愛情をもって取り組んでまいりました。メンバーのひとりであるサウロ・サルティ氏のアイディアから生まれたのが、今月ご紹介する「ブリナータ」です。ビロードのようなフワフワの白かびに覆われ、むっちりと弾力のある生地をもつ羊乳製チーズです。「ブリナータ」とは“ 霜が降りる” という意味。もととなるチーズはシエナで製造されていたペコリーノ・スコデラート(Pecorino Scodellato)で、その表面に白かびを吹き付けたものなのです。それまで白かびチーズがなかったせいでしょうか、1998年にリリースされるとあっという間にヒット商品となりました。弾力があり、しなやかな組織をした生地は、塩分ひかえめな穏やかな味わいです。ひとくち含むと羊乳本来の甘みと上質なミルクのコクがふんわりと広がります。トスカーナ流にプロシュートやルーコラを合わせていただくもよし、パンに溶かしてもよし、もちろんリゾットやパスタ、ポレンタと合わせるのもおすすめ。さらに、その優しくミルキーな風味は、蜂蜜を添えるとより味わいが引き立ちます。また、爽やかな白ワインなら羊乳独自の甘みと旨味を一層引き立てくれることでしょう。
 春から初夏を迎えるこの季節にふさわしい羊乳チーズ、是非この機会にお好みの召し上がり方を探していただきたいと思います。