今月のチーズのお話

2017 April

フルム ダンベール オーガニック Fourme d’Ambert BIO
フルム ダンベール オーガニック Fourme d’Ambert BIO

掲載日:2017/04/26

フルム ダンベール オーガニック Fourme d’Ambert BIO

フルム ダンベール オーガニック Fourme d’Ambert BIO 

銘品といわれる数々のブルーチーズを産み出しているラカイユ乳業の「オーガニック製フルム・ダンベール」。むっちりとした食感でオーガニック製らしい生乳の味わいが感じられる高貴なブルーチーズです。
 大自然に恵まれたオーヴェルニュ地方は「ボルヴィック」などミネラルウォーターの水源が多く、緩やかな起伏の牧草地帯が広がるのどかな田園地帯。ル・ピュイから始まる巡礼路には多くのロマネスク様式の教会が点在します。そんな地にあって、安定した良質なブルーチーズを製造することでチーズ商たちから絶大な信頼を得ているのがラカイユ乳業です。
 ねっとりとしてマイルドながらたっぷりと旨みのあるフルム・ダンベールは日本でも大人気で消費量もうなぎ登りです。2008年からは原点に戻り、無殺菌乳製のフルム・ダンベールが登場。また、時代の流れとともにBIO(オーガニック)の需要が高まると、オーガニック製にも力を入れるようになりました。定番のフルム・ダンベールに比べると、塩分が控えめで、オーガニック製らしい生乳の繊細な味わいが感じられます。この機会に食べ比べていただくのもおすすめです。
 主原料乳の質の高さを守り続けるラカイユ社は、第二次世界大戦後の貧困から地域を立て直すため、ラカイユ市長(Antoine Sarliève氏)が旗振り役となり1949年に設立されました。1971年には協同組合となり現在に至ります。会社の規模こそ大きくなりましたが、ミルクへの厳しいこだわりや地元密着の姿勢が変わることはありません。農家の規模は小さめで一軒あたりの乳牛飼育頭数は30~50頭。しっかりと行き届いた管理あればこそ、すばらしい品質の原料乳が生まれ、美味しいチーズが出来上がります。フェルミエはつくり手の顔が見えるチーズを探してきましたから小規模な農家製が中心になるのは当然ですが、中でもラカイユ乳業は別格なのです。初めて訪問したのは1989年、28年も前のことになります。担当されていたバラさんが行きつけのラカイユ駅前の食堂でご馳走してくれた、ボリュームたっぷりの定食の美味しさが昨日のことのように懐かしく想い出されます。バラさんはすでに定年退職されましたが、現在はバリバリの営業マンのオリヴィエさんが、とびきりの笑顔で迎えて下さいます。
 顧客の要望に耳を傾けながら、少しずつ商品レンジを増やしてきたラカイユ社。地元の酪農家と手を結び、世界の顧客を満足させる会社としてこれからも成長し続けることでしょう。